vol.5 大底春菜さん(27)【やりたいことにこだわり続ける】


長崎県生まれ。人口300人ほどの小さな海沿いの街で高校生までの時を過ごす。

高校卒業後は大学進学のために、広島へ移り住むことに。

卒業後は長崎に戻り新卒で大手通信販売会社に入社。

テレビショッピングのAD、バイヤー、新卒採用担当などで活躍したのち、

スキルを時間ごとに売買できるサービス、Time Ticketを運営する株式会社グローバルウェイに転職をする。

現在はご自身もTime Ticketを売買しながら、コミュニティーマネージャーとして、活躍されている。


*大底春菜さんの20歳


—20歳の時は何をしていたのですか?


一言で言うと、“等身大で、できることをとことんやった20歳”だったよ。


本当にいろんなことを経験したな〜

例えば、お酒の飲み方を覚えたり、

いろんなタイプの男性との恋愛を経験したり、

本屋のアルバイトにとことん打ち込んで、販促の仕事にプロ意識を持って取り組んだり。


他にも、時間がある学生時代に仲間といった貧乏旅行や、大変なゼミの発表を仲間と乗り越えたことなんかも、すごく今となってはいい思い出だよ。


大学生のうちにしかできないことをとことんやりきることが、

充実した20歳を送る上で大切なんだと思うな。


*大底春菜さんのこれまで


◇病気がちで、自分は早く死ぬんだって思っていた幼少期


—小さい頃はどんなお子さんだったのですか?


私は、小さい頃から喘息持ちで、よく発作を起こしていたの。

だから、小学校低学年の頃から、自分は40歳まで生きられたらいい方なんだって思っていて(笑)

周りの皆よりも時間が限られているわけだから、好きなこと、ワクワクすることはなんでも早め早めにやろうっていう気持ちが幼いときから、すごく強かった。


—どんなことがお好きだったのですか?


体を動かすことがすごく好きだった。

中学生になると、バレーのマネージャーになって部員をサポートする側に回っていたんだ。

というのも、体を動かすのは好きだけれど、自分の身体能力には自信がなかったの。

でも、それを喘息のせいにしている自分がいて。

部活を引退するときに、信頼していた先生から「次は自分がプレイヤーになって頑張ってみなよ。」という言葉をもらって、卒業したんだ。


—素敵な先生ですね…!高校ではプレイヤーとして活躍されたんですか?



うん。高校では鬼のようにキツイと定評のあるハンドボール部で、プレイヤーとして毎日の練習に励むことにしたの(笑)

やっぱり、自分の弱さを喘息のせいにしている自分を変えたくて。

そんな中で、辛い部の活動をこなしていくうちに

身体が喘息を乗り越える瞬間を何度も自分で目の当たりにしたの。

自分の限界を超えられた!

こんな感動を覚えた瞬間だったんだ。


◇地理への愛が強すぎた学生時代


—大底さんはどんな学生さんでしたか?


勉強面では、小学生の頃から社会科の授業がず~っと好きだった。

自分が長崎の小さい港町に住んでいたこともあって、当時は自分が見ている世界がすごく狭かったの。

社会科の授業で、日本史、世界史、地理を勉強していくうちに自分の視野がグッと拡がっていくのを感じて、その中でも特に地理にどハマりしたの(笑)

大学でも地理を専攻して勉強していたよ。


◇ずっと憧れていた業界に内定をもらえない


ー地理おたくだったなんて意外です!(笑)


将来も地理の知識を生かして行こうと…?

そうなの。地理を勉強するのは、ただ好きだという以外に、旅行業界に勤めるためでもあって、この夢は中学校の時からずっと抱いていたものだったの。

だから就活の時期になると迷わず旅行業界の企業9社に申し込んだんだけど、全滅。

こんなにずっと憧れていて、そのために勉強してきたのに、思いと結果がマッチしなくて。

この時は本当に辛かった。


—そうだったんですね…!最終的にはどのような業界に勤めることになったのですか?


親の勧めで、東京の観光系の企業だけではなくて地元の企業も受けていてたこともあって、

最終的に地元長崎県にある大手通信販売会社に就職することになったんだ。


◇ものを持つ幸せをかみしめた大手通信販売会社時代


—通信販売会社ではそんなお仕事をされていたのですか?


仕事面では、入社してから配属先が決められる会社だったから、プレゼンをしてテレビショッピングのADをやりたいって声をあげたんだけれど、

上司から、君はテレビショッピングのMCに向いてるって言われて(笑)

カメラの前で喋るのは無理だって思ったし、断ったんだけど、

やっぱり蓋を開けてみたらMC配属になっていて。


—ええっ、結構強引だったのですね(笑)実際にMCをやられてみてどうでしたか?


でもやっぱり、商品のことも、右も左も分からない新入社員にとってMC配属はキツいもので(笑)、

早々にもともと志望していたテレビショッピングのADへ配属が移ることになったんだ。

そこで働いた経験が本当に、今考えると大きかったよ。

通信販売会社時代に扱った商品たち


◇本当に価値のあるものを、必要としている人に伝えたい。がむしゃらに頑張ったAD時代


—AD時代はどのようなお仕事を…?


ADになってからは、商品を魅力的に見せるにはどうしたらいいのかを考えて

企画するのが主な仕事。

この時代、一番印象的だった事例があって(笑)

それは、アメリカ製のラグジュアリーベッドを担当した時。

ラグジュアリーベッドっていうのは、ゲスト(お客さん)用に一家に一つ置いておくことを目的に作られた簡易シングルベッドで、

空気を入れると50秒で膨らむことがウリなんだけれど、日本での在庫がすごく残っていて。


—そうですよね。日本には、まずゲストを家に泊まらせるという概念自体ないに等しいですよね。


その通り。

アメリカでの売り方をそのまま日本に導入するだけじゃ、絶対に売れない。

だから、どのように魅せればお客さんは買ってくれるんだろうってものすごく考えたの。

結局たくさん考えた挙句、高齢者の方々向けに、マーケティングすることに決めたんだ。


—高齢者の方向けですか…?


高齢者の方って、床に布団をしいて寝ることが多いと思うんだけど、押入れに布団の出し入れをしている時に、

腰をいためてしまいやすいっていう話をよく聞いていたんだよね。

結果として完売になるほど売れ行きを伸ばすことができたの。会社で持ってた在庫だけではとても足りなくて、

日本中のラグジュアリーベッドを買い占めてきて販売したんだ(笑)

この経験があったからこそ、本当に価値のあるもの、価値があるのに埋もれてしまっているものを、必要としている人に伝えたいっていう気持ちが生まれたし、今もこの気持ちは大切にしているんだ。


◇「あなたの言葉にはトゲがある」一念発起して一から身につけたコミュニケーション力。


—お仕事をしていく中で大変だったことは?


ADとして活躍した後は、東京にある支社に新卒採用担当として異動になって。

ここで働く中で、一つ大きな出来事があって、それが自分にとっては大変なできごとだった。

実は、自分が何気なく発していた言葉にトゲがあるということを、上司を通じて注意されたの。


—大底さんはコミュニケーションがお得意で、コミュニケーションで注意を受けるイメージは全然ないです…


そうだね。今まで自分はコミュニケーションが得意な方だと思ってたから、そのコミュニケーションに問題があると指摘された時、ものすごく落ち込んだんだ(笑)

でも、私が総合職として仕事をしていく中で、一般職の方と快く会話ができていなかったということを思い知らされた瞬間で。

だけど、これを機にしっかりコミュニケーションについて学ぶことにしよう、と日常からビジネスにまで使える幅広いコミュニケーションスキルを勉強したんだ。自己投資として60万円かけてセミナーに通ったの。


—ろ、60万円ですか?!


そう、60万円(笑)!

会社に勤めながら勉強したから、土日はその勉強に費やすことが多くて。

でも、この時自己投資をして学んだことは、確実に今のキャリアで役に立っているから後悔は全くしていないよ。


—周りの同期もそのような休日を過ごされていたのですか?


周りの同年代の子は土日にカフェに行ってのんびりしながら時間を過ごすことが多かったから、週末の過ごし方は全然周りの女の子たちとは違って(笑)

社会人になってからは仕事一辺倒になりがちだけど、

将来のために週末も勉強をしておくと、次のステップにつながることもあるから、週末の使い方は実は、ものすごく重要だと思ってるよ。

コミュニケーションスキルを学んだ後は、仕事にそのまま活かすことができたから、次にバイヤーとして勤務したときも、周りの社員さんと気持ち良く仕事ができるようになったの。


◇興味は、ものによる幸せから サービスによる幸せへ


—スキルを身につけたことで、幅がぐんっと広がったんですね!それも転職を考えた理由の一つなのですか?


そうだね。でも、自分にとって、東京に出てきたことがものすごく大きかった。

私が東京に出てきた時はシェアサービスがどんどん世に出てきているタイミングで、

今までは、通信販売を通して、“目に見えるものによる幸せ”を提供してきたけれど、

この時、自分もコミュニケーションスキルを学び始めていたこともあって、

“目に見えない幸せ”を提供するのもいいなって思い始めたんだ!


—スキルが大底さんの新たなキャリア選択を後押ししてくれたんですね!


そのあとすぐに転職されたのですか?

ううん。仕事をしながら、コミュニケーションの他に、心理学についても勉強していたの。

月一回程度セミナーを開催することにしたのだけれど、思ったよりも聞きに来てくれる人が多くて。

イベント後には個別にコンサルティングをして欲しいという依頼を受けることも出てくるようになって、ちなみにその依頼は職場の人間関係や親子関係、恋人関係のトラブル解決がほとんどだったよ。


—個別にコンサルティングを依頼されるなんてすごい…!


印象に残っている依頼はありますか?

自分が一番印象に残っているのは、結婚相談所とコラボをして婚活コンサルティングをした時のことかな〜。

相談所の会員さん3人に対して、女性への接しかたをレクチャーするという内容のものだったのだけど、

3人とも30歳後半の男性で、私はその時まだ25歳。(笑)

10歳以上も年上の方々に対して、恐れ多い…って思っていたのだけど、

意外と私でも気が付く様な、改善すべきポイントがたくさんあって(笑)


—気になります(笑)


例えば、女性と食事やデートに行く時に大切になるのが、“FOR YOU”と言う考え方。そのまま“あなたのために”という考え方なのだけど、

これは、どの場面にも応用することができて、

相手の話を引き出すために、リアクションをはっきり示すこともFOR YOU だし、

メニューを差し出してあげるのも、店員さんを積極的に呼ぶことも、お酒のお代わりを聞いてあげるのも、

全部FOR YOUという気持ちさえ忘れていなければ誰でも簡単にできるものなの。


—確かに、FORYOUの基本を押さえておけば、どんな局面にも応用ができそうですね( ̄— ̄)


◇やりたいことには、とことんこだわる!


—これだけ需要があると分かれば、転職ではなく、フリーランスで生きていくことは考えられなかったのですか?


もちろん考えたよ。このようなフリーのコンサルタントとしての仕事をいくつも受けるようになった時、

小さい頃からこだわってきた、「好きなこと、やりたいことは早めにやろう」という気持ちを思い出したの。

やはりフリーの道一筋で頑張ってみようかなって思って、思い切って退社したんだ。

けれどその後、フリーになって働くよりも、より自分に合っている働き方を見つけることができて。


—そんな美味しい話が…?!


そう。美味しい話(笑)

というのも、Time Ticketというサービスを運良く友達に教えて貰ったの。

https://www.timeticket.jp

初めはこのサービスを使ってフリーで働いていくつもりだったんだけど、

このサービスを運営する会社に入れば、自分でチケットを売ってフリーとしての活動を続けながら、シェアサービスの勉強ができて一石二鳥!

っていうことに気づいてしまって(笑)

結局Time Ticketを運営する、株式会社グローバルウェイに参加させてもらうことにしたんだ。


*大底春菜さんの好きなモノ


—好きな本は、世界で「最も影響力のある100人」にも選ばれたあの著者の超話題作


『人生がときめく片づけの魔法』 近藤麻理恵


大学三年生の時に初めて読んで、7年間何度も読み返している本で、

これを読んで人生が変わったと言っても過言ではないくらい。

実はこの本は、ただ単に片付けについて書かれた本ではないの!!


ときめくか、ときめかないか を考えながら身の周りにある本や服、雑貨を整理することはもちろんだけど、

キャリアや身につけるべきスキルも同じような観点で分類することで、

自分軸がはっきりしてくるというもので。


この本を読んでから、自然と自分にプラスのエネルギーを与えてくれるモノや考え方に囲まれるようになって、

自分に自信も持てるようになったんだ。


*大底春菜さんのこれから


◇今の夢は、女性がイキイキと生きる社会を作ること


—ずばり…今の大底さんの夢はなんですか?


女性は、出産や子育てなどのタイミングでキャリアを諦めて、可能性を縮めてしまうということが、やっぱりまだこの世にはたくさんあると思うの。

そんな悲しい社会ではなくて、女性がイキイキと生きることができる社会を作ることが今の私の夢かな。

そのためにまず自身、自分のやりたいことや、なりたい姿を明確にして、

そのために必要なスキルや経験をこれからも掛け算式に増やしていきたいなと思っているんだ。


—ちなみに、今一番身につけたいスキルはどんなものですか?


今は、キャリアアドバイザーの資格を取りたいと思ってる。

コンサルタントとしての活動を通して、一対一で問題を解決していきたいという思いがやっぱり強くて。

こんな風に、自分自身がイキイキと、なりたい姿に向かって努力し続けることで、自分自身が、女性のロールモデルになれたらいいなとも願っているんだ。

目の前にいる人と向き合いながら良いインパクトを与え続け、

ゆくゆくはノーベル平和賞がとれたらいいなって思っているよ(笑)


—今の大底さんの人生を点数化すると…?


今の人生は、100点!と言い切れるよ。

理由は、毎日働いていて幸せを感じることが多いこと。また、プライベートも充実していて、私にとってのワークライフバランスが良いと思えているからなんだ。

ただし、辛いことも多かったので、100点だと思えるまで自分が努力してきた結果だと思う。

その努力の過程を知りたい人はTime Ticketを使って会いにきてね♪


*大底春菜さんに会いに行くには…


—あの…大底さんが悩める子羊たちの相談に乗って下さるってお話…

本当ですか?(スリスリ)


本当ですよ〜(笑)

テレビショッピングで「もの」が売れるための、魅力的な「切り口」をたくさん考案されていた経験を応用して、

就活生向けに、「あなたらしさをプロデュースする」という名目でチケットを販売しています。

自分らしさ、自分の軸に悩んでいる方は、ぜひ覗いてみてくださいねっ( ̄— ̄)☆

https://www.timeticket.jp/items/32156

0コメント

  • 1000 / 1000

Crossroads 〜20歳の時、なにしてた?〜

ハタチの時代を思い切り楽しむ人たちへの道しるべ。憧れのあの人は20歳の時、どんなcrossroads(分岐点)を迎えたのだろう。 「20歳の時、なにしてた?」そんな質問を中心に、年齢•職業•性別を問わずバラエティ豊かな方々にお会いし、人生インタビューをしています。