vol.8 西井勇希さん(21) 【心がワクワクする方向へ。即断即決の爆速山梨ボーイ】


1995年山梨県生まれ。現大学4年生。18歳の時に大学進学のため名古屋に移り住む。

大学入学と同時に始めた野球サークルや英語学習支援団体での活動を皮切りにして

フィンランドへの交換留学、カンボジアでのインターンシップ、地元山梨県の地域経済活性化に向けた活動など、多くのことにチャレンジしながら充実した学生生活を送っている。大学卒業後はイタリア製タイルを扱う専門商社に就職予定。


*西井さんのこれまで


◇大学野球サークル日本一となったSPLASHの火付け役



—突然ですが、西井さんは何かスポーツなどはやっていましたか?運動が得意そうに見えます!笑


野球が好きで、大学入学後すぐに野球サークルを探し始めました。でも、新歓に行っても、どこにも野球サークルがなくて。

とりあえず、野球をやっていそうな“野球顔男子”に声をかけまくりましたね。


結局5人くらいに声をかけたんですけど、やっとの思いで野球サークルに入っている先輩を見つけました。 

自分もさっそくメンバーに入れてもらうことにしたんです。


—メンバーの方は何人ほどいらっしゃったんですか?


すごく少なかったんです。2個上の先輩の代が10人弱、1個上は0。1年生は自分1人、みたいな(笑)

入ってからも構内にいる“野球顔男子”に声をかけまくった結果、ありがたいことに同学年に25人も入ってくれました。


これが火種になって、今は全体で100人以上はメンバーがいますね。


—すごい!!100人規模にまで大きくなったんですね!!西井さんの人を惹きつける姿がきっと魅力的だったんですね。他にはどのような活動をされていたのですか?


英語学習支援団体に入っていました。

めちゃくちゃ真面目で、マナーにも厳しい団体です。笑 

英語をもっと話せるようになりたいという思いがもともと強かったことから、参加を決めました。


今も続けているのですが、ここでの活動のおかげでかなり英語が得意になりましたね。


◇時間がゆっくり過ぎるフィンランドで気づいた幸せのかたち



—西井さんはフィンランドへの留学を経験されたと伺ったのですが


2 -3年生の代で、学校の交換留学制度を使ってフィンランドへ10か月間の留学に行きました。

交換留学制度って、学内の選考が厳しくて狭き門なのですが、

自分は難しいほど挑戦したくなる性格なんです。

めちゃくちゃ勉強して臨みました。笑


—そのガッツ素敵です( ̄— ̄)☆ 留学中の一日のスケジュールを教えてください


学校で勉強→①遊び②そのまま旅行③草野球

の3択かな(笑)

ハロウィンパーティーに参加したり、


草野球は地元のチームに混ぜてもらって、現地のフィンランド人10人とプレーしてました。


—あちらでも野球を続けてらしたんですね。この留学ではどのようなことを学びましたか?


フィンランドでの生活ならではの、時間がゆっくり過ぎる環境に置かれたことで、自分の仕事観や、人生観について深く考えることができました。


フィンランドには、3時に仕事を終えて、子供と遊ぶ時間を確保するために家に帰るお父さんなんかもいて、めまぐるしく時が過ぎていく日本との違いに驚きました。


そのような環境のなかで自分らしく生きていくこと、働くこと。

それらをじっくり考えることができました。


◇甘ちゃんな自分を変えたくて挑んだカンボジアインターン



—留学の後は大学に戻られたんですか?


実は、フィンランドでの留学経験は自分の生き方や仕事について考えるきっかけにはなったのですが、学校の授業はそれほど大変ではなくて、思ったより簡単に単位も取れてしまったんです。


そのような環境に慣れてしまって、「なんか、楽勝すぎん?!」って思っちゃったんです。

加えて、「このままじゃ甘えてる部分が多くて、ダメになっちゃう」って焦りが生じてきて。


なので、自分を厳しい環境において成長できるものってなんだろうって考えて、


とりあえず「海外 学生 働く」って検索したんです。


—そこで、海外インターンという選択肢を見つけられたということですか


そうです。検索で一番上位に出てきたのがタイガーモブというサイトで、

左上に新着インターンシップ情報として紹介されていたカンボジアでの営業インターンに応募しました。


—海外インターンを見つけてから応募するまでは悩みましたか?


即断即決でした(笑)フィーリングでここだと思ったので、すぐに応募しましたね。やはりフィーリングは大事です(笑)


—迷ったらフィーリング。わかります(笑)インターン先ではどのような仕事を?


日本食に関わる全てのモノを、現地のレストランに営業していました。

扱う商品は本当に多岐にわたっていて、米、酒、醤油、たこ焼きソースまで扱ってました。(笑)

自分の場合は期間が一ヶ月半と短いこともあって、日本酒と(梅酒)に絞って営業をしていましたね。


—インターンをしていて大変だったことはありますか?


商品を何度も購入してくれるリピーターを獲得することができず、かなり悩みました。

自分の場合、新規営業開拓なので、一回目はお店の人が興味本位で買ってくれることが多いんです。

ですが、一回目に買ってくれても、次回以降続けてお店に商品を置いてくれるお店ってものすごく少なくて。


—確かに。一つの商品の単価が安いから始めはとっつきやすいけど…次回は…、、ということはありそうですね


そうそう。そうして悩んでいる時にインターン先の社長に言われた

営業は信頼関係が大事」という一言にすごく救われたんです。


その時に、自分がしていたのは「契約数」という数に追われて、自分の会社の利益だけしか考えていない営業だった、ということに気づかされたんです。


買ってもらうことがゴールになっていて、お客さんのことまで目を向けられていなかったな、とすごく反省しました。

そこから自分は「心で営業する」という理念を大切にして営業するように心がけていましたね。


—心で営業する?


はい。相手の気持ちになってお客さん一人一人に寄り添った営業をするということですね。

インターン先の会社が売れる仕組みだけではなくて、

定期的にお店に通ってお客さんとメニューを一緒に考えるなど、

お客さん側が売れる仕組みはどうしたら作ることができるかも考えるようにしていきました。


—印象深いお客さんはいますか?


いますいます(笑)

オフィスに流暢な英語で電話をかけてきたカナダ育ちのカンボジア人の方がいて、

彼から、新しく寿司屋をカンボジアで開くため、日本食材を仕入れたいという依頼があったんです。


まだお店は出来たばかりでお皿だけが用意してある状況で。

あとは食材が揃えばオープンできるということだったので、

今までの反省を生かして、彼との“対話”を意識しながら営業をしていきました。


彼との話し合いは深夜まで及ぶことも少なくなく、

この時は、会社の利益ではなく、「彼のために何ができるか」ということを一番に考えることができていました。


真の「心で営業する」ということができていたように思いますね。

最終的にかなりの商品をお店に置かせていただいて、

「勇希がいたからできたことだよ」

というお声をもらった時に、本当に頑張ってよかったと心から思えました。


—その言葉、すごく嬉しいですね…!海外インターンに挑戦されてみて、よかったと思えますか?


ー同じくカンボジアでインターン中の仲間と集まり、成長を誓い合いました。ー


思えますね。

自分は留学も経験しているので、どちらの良さもありますが、インターンでは現地の人と同じ土俵、対等な環境で働く経験ができるということで、自分自身も多くのことを感じ、考えました。


例えば、インターン先の会社では同年代の現地の大学生も働いていて多くの刺激をもらいました。


みんな、真面目な姿勢で仕事に向き合っている姿がすごく印象的で、

正直言って自分よりも仕事ができるのに、給料は日本円でたった3万円ほど。

環境がものをいう世界を目の当たりにして、衝撃を受けました。

留学でも素晴らしい交流ができましたが、留学ではある程度余裕がある人たちとの交流になります。

海外インターンを通して、異なるバックグラウンドを持つ同年代と共に仕事が出来たことは、すごく貴重な経験になりましたね。


*西井さんの今


◇カンボジア→地元山梨で陶芸人?!



—インターン後はどのような生活をされているのですか?


実は大学に通いながら週一ペースで、山梨へ行き陶器を焼いています。


—陶器ですか?!それはまたどうして?

建築やデザインを学ぶために自分で連絡をとった建築家・竹鼻良文さんがオーナーが勤め

KURA COCOLONO

活動をさせて頂いています。


というのも、自分はカンボジアで日本食材の営業をしていて、

もっと「日本文化に触れる活動をしたい」こんな思いを抱きながら帰国したんです。


だからこの活動には一目見て惹かれ、今は一メンバーとして関わっています。


—具体的にどのような活動をされているのですか?


主に二つのことを中心に活動していて、


一つ目が過疎地でも人を呼び込めるようなTAKEHANA BRANDを中心とする作品や陶器焼体験を含むコンテンツを楽しんでもらうこと。

二つ目はコンテンツに集まってくれた方々の居場所となるような空間設計。

国に頼らない経済圏をつくりだすためにこの活動をしています。

クラウドファンディングで資金集めもしているのですが、なかなか難しいところがありますね。


陶器×ネット の組み合わせが難しいところがあって、広報やマーケティングにもまだまだ苦戦を強いられている面があります。


*西井さんのこれから


—西井さんの夢を教えてください


夢っていう夢はないです。毎日が楽しくて今は幸せですね(笑)

ですが、尊敬する人物のようになりたいって気持ちはあります。


—尊敬してる人物とは??


二人います。

一人は父親です。自分がやりたいことを全力で応援してくれるし、父親自身も努力家な側面があって憧れます。


二人目はさっきもちらっと出てきた、カンボジアのインターン先の社長です。

アジアの地で起業して成功しているだけでもすごいことですが、


彼は会社の利益よりもまず先に、他人への利益を優先する方なんです。


「営業は信頼関係が大事」という言葉はそんな彼が放ったからこそ、自分の心にぐさっと刺さったのだと思います。


—オススメの映画・本を教えてください


映画は、フォレストガンプ、LEONが好きですね。

本は

『サピエンス全史(上)(下)』


西井勇希の知的好奇心をくすぐる最高に面白い本です。読み終わった時には、物事を見る視点が180度変わります。めちゃくちゃオススメです。


『善と悪の経済学』


倫理や感情が絡んだ経済学について楽しく勉強できます。


—人生を100点満点で点数化すると?


100点満点です!!理由は

好きなもの食べて、友達がいて、やりたいことが出来て、家があって。それだけでとりあえず100点です。でも向上心は忘れてませんよ。


—最後に…20歳(と言っても一つ下ですね笑)に向けてのメッセージをお願いします!


心がワクワクする方向に行こう!ということですね。

20歳は進路や将来について考えることが増えて、不安になることもあるかと思いますが、自分の心が向きたがっている方向にぜひ一歩踏み出してみてほしいなと思います!


ワクワクすることに素直になって、その方向で努力をしたら毎日が充実して楽しいものになります。


ぜひ20歳を楽しんでください!!

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Crossroads 〜20歳の時、なにしてた?〜

ハタチの時代を思い切り楽しむ人たちへの道しるべ。憧れのあの人は20歳の時、どんなcrossroads(分岐点)を迎えたのだろう。 「20歳の時、なにしてた?」そんな質問を中心に、年齢•職業•性別を問わずバラエティ豊かな方々にお会いし、人生インタビューをしています。